反タバコ団体は○○科学の団体です。

個人的にはこの様な結論になりたくはなかったがなってしまったものはしょうがないです。
反タバコ団体は、疑似科学の団体です。水の記憶、ワクチン否定派、地球平面協会などとほとんど変わらないということです。 今後、この分野に進学される方は注意が必要です。 反タバコの研究者にはなれますが、それ以外の分野の研究者にはなれません。学問水準が低すぎるためです。 一方、他の分野の研究者はタバコの研究者になれます。 もう少し掘り下げて行きましょう。

この分野の研究文化に関するもの

この分野、特にタバコに関する公衆衛生に関する論文には2タイプあります。1つ目は糞、2つ目は査読された糞です。
反タバコ団体に所属している研究者(国の研究機関に所属している研究者も含まれます)は、おおよそタバコ問題しか扱いませんし扱えません。 疫学ですら少し危うい研究分野ですが、(魑魅魍魎が跋扈し、再現できない研究成果が査読付き論文として発表されているため、交絡の取り扱いに繊細さが求められるがそのような論文は実際は稀)それにも増して危険です。
分野全体が科学に基づかないため、論文を書く方もゴミしか書かないですし、査読する人もゴミです。 そのため、通常の科学者を遠ざけ、この分野が他の分野からどんどん孤立していきます。

あなたが他の分野の科学者だったとしてがこの分野の査読を行ったとしましょう。その論文はあなたの求める水準にないためリジェクトを行います。 しかし、数ヶ月後に同じ原稿が別の雑誌に掲載されていることに気づくでしょう。あなたは二度と査読を依頼されることはないでしょう。 また、あなたは、非科学的な学説に対して反論を書いてみたいかもしれません。そして書けば反タバコ分野から干され執拗な個人攻撃に晒されます。

このように他の学問分野と協力できなければ学問と科学の体をなしていません。 まっとうな学問、科学であれば他流試合でも十分に通用します、論理という共通の言語を使用しているためです。 論理という言語から逸脱した分野は孤立していきます。 同様の学術分野に一部の社会学などがあります。 これらの分野はしばしば他人には(時として本人ですら)理解できない非論理的な研究を行い周囲を困惑させます。 しかし、他人からのチェックが働かない状況ではその非論理性は保存されていきます。

この分野の第一の研究者を見てみよう

さて、この分野で一番有名な教授は誰でしょうか?それはカリフォルニア大学サンフランシスコ校の公衆衛生の教授であるスタントン グランツ教授です。 しかし、この教授はそうとうヤバ目で、彼の声明は研究仲間である反タバコ団体であるアメリカ癌協会ですら「いやそれはちょっと・・・」と言われている始末です。
さて皆さん地獄を覗く用意はできましたか?それでは見ていきましょう。

研究結果が再現できない。(科学ではない。)

彼の研究成果の大半が再現できません。科学の大前提として誰が研究を行っても結果が再現できなければなりません。 しかし、彼の研究成果の場合は同じデータを用いた場合ですら同じ結論になりません。
データの取り扱いやそれから受け取る意味などが通常とかけ離れているためです。
普通の研究では結論だけ読むといったことをよくやるのですが、彼や彼に親しい研究者の場合はそれはやってはいけません。
通常ではないデータの取扱いを行った後、エキセントリックな主張を行うからです。 非常にイデオロギー的な考え方で論文を読んだ誰もが思考を追うことが不可能です。

彼の行った一番有名な研究を見てみましょう。
Six-month public smoking ban slashes heart attack rate in community
これは、6ヶ月間、公衆の場で喫煙を禁止すると心臓発作が60%も減ったという論文です。国立癌研究所の資金提供を受けて研究を行ったようです。 そして10年間、この公衆の場での喫煙禁止は各国の法律として制定されるまでになりました。
しかしながら、この研究の大規模な追試によるとこの結果は再現できませんでした。
Changes in U.S. hospitalization and mortality rates following smoking bans
私は、分煙大いに結構、だと思います。上の研究でも心臓発作は減らなかったが肺炎などは減ったと書かれていますから良かったのでしょう。

でも、よくよく考えるとこれは恐ろしい事です。 あなたが嫌だなと思っている事やあなたが好きだと思っている事を、誰かが根拠がなく法律で禁止できるということです。

オッズやp値を理解していない。(統計を理解していない)

残念ながら、健康政策研究所のメンバーで、200本余りの論文と4冊の本の著者ですが、オッズやp値を理解していません。
自分がこの事実に気づいたときにびっくりして死ぬかと思いました。
https://www.acsh.org/news/2018/12/28/stanton-glantz-says-vapers-should-smoke-cigarettes-instead-13690
統計を理解していない人が書いた教科書とか見えている地雷以外の何者でもない。 他にも証拠があります。
Electronic Cigarettes and Conventional Cigarette Use Among US Adolescents A Cross-sectional Study
これは、2013年の若者の間の電子タバコの使用が紙タバコの喫煙につながるという主張の論文です。 残念ながら、2019年現在、若者の間で電子タバコの使用率は上がりましたが紙タバコの使用率は下がりました
つまり、この研究成果は単純に現実の表現に失敗しています。

まぁ、それ以前に、電子タバコの使用から紙タバコの喫煙につながる根拠が、タバコの使用者と電子タバコの使用者の間に正の相関があるためです。 これは、”相関関係は因果関係を含意しない”という一般的な前提を無視しています。 これ大学1年生前期の情報処理の教養課程とかで”癌の死者数”と”youtubeの登録者数”とかで「相関があるね。でも無関係だよー」といった授業でやる話です。 統計の教科書のはじめの方で書いてある話です。 研究の第一人者が大学1年生以下ってどうよ。
また、電子タバコ使用者は、非喫煙者よりも紙タバコを使用する確率が高いといった結果しか読み取ることができません。それは当然ですが・・・、うん。

この論文の悪い点は、電子タバコの使用が紙タバコの喫煙につながらないという逆の主張も可能な所です。 つまり、根拠がないのでどのような主張も可能ですが、何も解決はしません。 研究のデザインが悪すぎです。

また、このデータからは電子タバコを使用した若い人は禁煙を計画する可能性が高かったのですが、それに関して深堀りしてもよかったかなと思います。

研究所がおかしい

残念ながら、彼の所属している研究所(UCFS)は陰謀論者、反ワクチン派の巣窟です。 この研究所はオーガニック消費者協会から資金提供を受けているのですが、彼らは反ワクチン、代替医療などを推進しています。 https://www.acsh.org/news/2018/09/15/ucsf-academic-home-conspiracy-theorists-anti-vaxxers-13413

研究成果の取り扱いも他分野の基準では奇妙

科学で嫌われる行為の一つにチェリーピッキングがあります。 これはある主張を正当化する主張のみをピックアップすることです。
例えば、ギャンブルなら、社会性が高まる、ストレス発散、健康に良い、など利点のみを主張し、犯罪である、経済的打撃、アルコール消費量が増える、などの欠点は記載しないことです。(これらは事実確認をしていません。作り話です。)

ここで問題なのは、反タバコ分野ではタバコ会社から資金提供を受けた研究は無視して良い、または、信用できない、といった慣習があり、多数の研究者が堂々とチェリーピッキングを行っている事です。
彼らの歴史を知らないからかもしれませんが、このような慣習は他の分野の研究者から見るとやや奇妙ですしフェアではありません。

信用できない根拠が資金提供のみであるため、製薬会社から資金提供を受けた反タバコ研究は信用できないとするのか?とか、そもそも反タバコ団体もタバコ会社も利害関係者(タバコが存在しなければ存在できない)であるため信用出来ないとするのか?とか、研究のための独立系組織を作るべきか?とか、私設団体からの寄付金ということになっているが、私設団体はタバコ会社から寄付を受けている、実質的にはタバコ会社から献金を受けている場合どう取り扱うのか?とかがあります。

科学的は話ではなく別の判断軸が存在しているため話が複雑になる上、科学では決着が付きません。
つまり、科学的な決着を先延ばし政治的にやり込める事が実現できるだけです。 科学的なアプローチが遅れると、反タバコ団体の科学者でもなくタバコ会社でもなく国民が害されることにつながります。
危険性が見積もられたよりも大きいかった場合はもちろん、小さかった場合でもする必要のない対策に対して税金が投入され医療費を圧迫するなどの事があるためです。

正常化への道

ではどのようにすれば良かったのでしょうか?私が考える対策をいくつか書いておきます。

  1. 統計学者、他の分野の疫学者を著者やレビュアーに入れる。
  2. 化学者、薬学者、生物学者と協力する。

この分野の主力の研究者は主に医師なのですが、彼らは統計が非常に苦手です。仕事に使いませんしね。 誰も医師の統計解析とか見たくないので統計処理は他の人に丸投げしてください。実際そのような研究者はたくさん居ます。
また、化学者、薬学者、生物学者はどちらかと言えば反応や代謝といった枠組みで物事を捉えるため、理解しやすい。変な主張も少ないように思います。例えば、「安全基準の1/100であるが危険」や、「毒は薄めても毒」、「体内のクロムイオンが突如Cr(VI)イオンになり危険」などの主張はしないでしょう。

何れにせよ、この分野は特定の研究者が濃縮されているため、他の分野の水準まで学問としての水準を上げ、他の分野との協力をすることが不可欠です。

まとめ

これまで見てきたようにStanton Glantzの研究は何の意味もありません。統計を理解していないため引用するには不適当です。 「この主張をしているのは彼だけやね」といった時は特に注意が必要で、他の研究者から「珍説。これ検証すんの?流石に時間の無駄では?」とみなされていることでしょう。
彼の研究しか主張を行っていない学説はほぼ嘘(再現不可能)なので引用するのは辞めてください。 そのような引用をする方は疑似科学と科学の違いを理解していない人なので恥をかいてください。