vape, 電子タバコ をめぐるアメリカの状況をまとめておく

先に書いて置きます。

Q: 事故とか起こったけど死者とか出たけど、vapeを吸い続けた方が良いの?紙タバコやiqosに戻ったほうが良いの?
A: vape吸い続けた方が良い。原因はvapeではなく闇市場の違法な製品の成分だったため。 アメリカ癌協会はvapeと紙タバコのデュアル使用は辞めてvapeだけにしたほうが良いって書いてある。

vape の説明

vapeとは 電子タバコ の一種でアメリカやEUでは結構吸っている人がいる。
電池、コイル、リキッド(エアロゾル発生用の液体)で構成されており、コイルによってリキッドが熱されエアロゾル(vapor, ベイパーなどと呼ばれる)が発生し、それを吸入する。 リキッドは、ポリエチレングリコール、植物性のグリセリンなどが主成分で、予め香料やニコチンを添加しておけばエアロゾルに香りやニコチンを付加できる。 そのエアロゾルを吸う機械である。
なお、日本と海外では電子タバコの指しているものが違い、日本で電子タバコといえばニコチンを含まないエアロゾルを吸入する製品を指すが、海外ではニコチンを含む電子タバコのことを指している事に注意して欲しい。 また、iqosなど加熱式タバコは日本では電子タバコとして記載される事もあるが、海外では一般的ではなく電子タバコに含まない。 この違いは、日本ではニコチンを含むリキッドが販売が禁止されているがiqosなどは販売が可能であり、海外ではニコチン入りリキッドは販売可能であったがiqosなどは販売が禁止されていたたmである。

ここでは、"vape"を海外でのニコチン入りリキッドの蒸気を吸う電子タバコ、日本でのニコチンなしの電子タバコを"ニコチンなし蒸気式電子タバコ"、 iqosやプルームテックなどを"加熱式電子タバコ"、といって区別することにします。

アメリカやEUでは比較的一般的でタバコの代わりに吸っていたりします。 ここ10年間で徐々に市場を徐々に広げて行きましたが、この1年で状況がニュースになること多数で法律などが目まぐるしく変わる状況となりました。 そこで、この1年位でどのような問題が起こったのか?ということをまとめて置こうと思い書いております。

未成年の状況

いくつかの状況がありますが、まずは未成年への状況を説明します。

  • 2016年、vapeを未成年に販売することが違法に。link
  • 2018年、未成年はvapeなど電子タバコの機器をebayなどで簡単に手に入れられた模様。ニコチン入りの液体も年齢確認(ID)なしで買えていた模様。
  • FDA (米国食品医薬品局) は事態を問題視し、抜き打ち検査を行い買えた店の店主などを訴えるなど行う。
  • FDAはvapeのシェア70%のjuulという製品を特に問題視していた。
  • juulの発売元 juul labs は未成年相手にwebで広告を打つなど、マーケティングに問題があった。また、学校に行き先生が席を外したときのみ健康に害はない、などと宣伝していた。
  • 2018年12月にタバコ会社フィリップモリスのオーナー企業アルトリア・グループはjuulの株式の35%を取得。
  • 2018年、高校生の喫煙率が11.7%(2017)から20.8%(2018)に。link ちなみに紙タバコは8.1%に。
  • 2019年8月 vapeが原因の初めてと思われる死者が出る。この患者は大人。link1 link2
  • 2019年9月 Simah Hermanさんがvapeが原因で死にかける。link
  • なお、事故当時Hermanさんは(20歳なのかな?未成年。タバコの購入は21歳だと思われるため)でニコチン入りカートリッジの入手先は不明。なお米国ではblack marketでカートリッジを容易に買えるが本物か偽物かは容易にはわからない模様。link
  • カートリッジとは彼女が使っていたjuul(製品名)というvapeの液体が入っているカートリッジ。液体がなくなればカートリッジを交換することで喫煙することが可能。
  • 同様の事故がアメリカで多数報告され始める。link
  • 政府や学校関係者は紙タバコと違って小さいく決まった形もないため発見しにくく、匂いもない、vapeの管理に手を焼いていた。
  • また、vapeを使用すると紙タバコに移行する、vapeはタバコへのゲートウェイになっているという主張の研究が発表される。link
  • 2019年9月 ドナルド・トランプ大統領はvapeのフレーバーを禁止にすると発表。link
  • フレーバーが若者を引きつけるといった考えから。

大人での状況

死亡事故

  • 2019年8月 vapeが原因の初めてと思われる死者が出る。link1 link2
  • 同様の事故がアメリカで多数報告され始める。link
  • 最初の報道のされ方がvapeで初の死者、などと報道されたためvapeで死んだというイメージが定着した。後に原因は別にあったことが判明する。
  • 2019年9月 CDC (疾病管理予防センター)は一連の事故がTHC入のリキッドにあると発表。 THCとは、テトラヒドロカンナビノールのことで大麻成分の一つでハイにする効果がある。
  • THC入のリキッドは販売店が非常に少なかったが、闇市場では偽物が大量に売られていたらしい。
  • 闇市場での供給元はより儲けを出すために増粘剤、ビタミンEアセテートTHCを希釈し販売していた。以前は大麻抽出物が80%だったが9月の頃は20% (80%は増粘剤)と盛大に希釈していた。
  • ビタミンEアセテートはスキンクリームなどに利用され、油の性質に近い化合物であるようで肺で代謝されなかったようだ。
  • なおTHCエアロゾルがこのような健康被害を引き起こさないことは知られていたため他に原因があるのではないかといった予想は事件当初からあったようだ。
  • また、THC入のリキッド使用者は患者の77%だったようだ。link
  • 患者はTHC入のリキッドを使用していた事を認めない事があったりもしたが、ニコチンの製品のみを使用していたと主張していた患者がTHCリキッドを使用していた事が発覚した。

フレーバーバン (味付きのリキッドを販売停止)

  • 2019年9月 ドナルド・トランプ大統領はvapeのフレーバーを禁止にすると発表。link
  • 若者が電子タバコに近づけないようにするため。
  • タバコ風味は何故か許可された。禁煙商品であるかららしい。
  • vapeショップの中には従業員を解雇したり在庫を投げ売りしていたところがあったようだ。
  • いくつかの州は死亡事故の原因がvapeではなかったため販売停止を延期にしたり中止したようだ。
  • またフレーバーを禁止にすると大人のvapeユーザーはタバコに戻るのと、法律に従う気のない闇市場の利益になってしまうといった理由かららしい。